ゆっくりとお兄ちゃんに視線を向けた千歳は、少しの間お兄ちゃんと目を合わせていてけれど、しばらくして頭を下げ、
「ごめん、なさい・・・」
そう言った声は、いつもの明るい声とは違い、とても弱々しかった。
そんな千歳にみんなは呆れた様に、安心した様に笑った。
お兄ちゃんもどことなくホッとしたように微笑み、立ち上がって千歳の前に立ち、クシャッと頭を撫でた。
「殴って悪かった」
そう、悲しそうに眉を下げながら。
千歳はそんな風都に驚きながらも、嬉しそうに目を細めてフルフルと首を横に振った。
「なあ、千歳」
お兄ちゃんは千歳の頭から手を離して、口を開いた。
「お前は、優羽の為だったら命を投げ出せるって言ったよな」
え、と今度は私が驚く番だった。


![[特別版]最強姫〜蘭蝶と白虎に愛されて〜](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.795/img/book/genre1.png)