「僕だけど・・・」 『うん』 電話ごしに伝わってくるソプラノの声が僕の鼓膜を揺らす。 テーブルに置かれた、ところどころ涙で濡れている紙をジッと見つめる。 “幸せになってくれ” 父さん自身が叶えてくれなかったこと。 父さん自身が僕に願ってくれたこと。 だから、僕は決めた。 「・・・仲間になるよ」 幸せになりたかった。 幸せになりたい。 今度こそ、僕は幸せを掴みに行こうと思う。