ふらふらと繁華街の路地裏に倒れ込む。




ああ、さっきまでネオンの光で自分は照らされていたのに、今はもう、その光さえも当たらない。




暗くて怖い場所だな、ここは。




そういえば、僕何してたんだっけ?




「・・・・・・」




深く考えていると、ああ、と思い出してついさきほどのことを思い浮かべる。




母親の顔さえ知らない僕は、父親の記憶しかない。




勿論その父親も女遊びが激しかったため、一緒に生活することなんて数えるほどしかなくて。




まだ小さかった僕の隣には誰かがいてくれることなんかなかった。