屋上を出た俺は適当にぶらつきながらも、千歳を探していた。
窓から見える空は屋上とは少し閉鎖されたような感じで、俺は立ち止まってそんな空を見上げた。
『・・・誰もっ、誰もいないんだよ!』
『そんな我が儘なこと願ってるっ・・・?』
閉じた瞳に映るのは精一杯自分というものをぶつけようとしてるあいつ。
とめどなく溢れ出す涙があいつの頬を濡らしていた。
「キャッ!」
少し過去のことを思い出していると、突然女の声が耳に入り、俺はゆっくりと目を開けた。
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