「豹がな、あの最後の日に言うたんや。“お前が惚れへんから、イライラして人を殴るんや”って。
せやから正直、怖い。
彼氏の心を自分が乱してしまうんやないかって…」



聖が左手をポケットから出すと、私の頭に乗せた。

私は煙草を口から離す。

そして、聖を見た。



「確かに、豹はお前の彼氏やった。けどちゃうやん。お前は、瞬斗を想うとる」



「や、瞬斗には彼女が居るから」



付き合う過程で話されても、胸が異様に苦しくなってしまう。

私はそれ以来、口を閉ざしたが、聖には授業を出るようにとは言い、私は1人で屋上でサボった。

この時、私は誰かが自分を見て居るとは気付かず、ボーッと煙草を吸っていた。