SWEET BUTTERFLY



急ぎ足でバイト先から立ち去ると


真っ暗な空に一粒見つけた星明かり。


いつだったか…


大翔の実家がある田舎町で


二人で寄り添いながら満点の星空を見上げた事があったかな…。


ツキンと痛む胸の奥。


あの夜、初めて大翔が私に叶いもしない約束をした。


「ずっとずっと、死ぬまで小春を好きでいるからね…」


今さら思い出したくもない彼の笑顔。


記憶の中の二人はあんなに幸せそうに寄り添っていたんだ…。




「若月さん待ってってば。」


不意に捕まれた肩。


息をきらした小関君が急いで私を追って来たんだ…。