ドタドタ走る音が遠くに行くと「パパ、いってらっしゃい!!」と元気な声が聞こえて思わず吹き出す。 「たから、お帰りなさいだってば…」 二人の足音が近づいて来て、慌ててクリームシチューをテーブルに並べる。 「ただいま〜。」と言いながら私の顔も見ずに着替えに行く大翔。 「…お帰り。」と、その背中に呟いてため息一つ。 仕事から帰る彼を出迎えなくなったのは… 言葉のやりとりに目を合わせなくなったのは… いつ頃からだっけ。