今夜もいつもと変わらず、大翔は私の作った夕食を無言で食べている。
この変わらない日常の中にいると、私達夫婦が離婚を目の前にしてる。なんて疑う人がいるのだろうか。
私自身、いたって変わらない生活が不思議でたまらないんだ。
だけど、もう大翔の顔を直視する事ができない。
私は…
既に大翔を裏切ったんだから。
黙々と洗い物をしている私のそばに、ゆっくり近付いた大翔が珍しく自分から声をかけてきた。
「…最近、なんかあった?」
「えっ?」
久しぶりに声をかけてきたかと思えばトンチンカンな質問に、呆れ顔を見せた私。


