「私を…裏切っていいよ?」
「なんの事です?」
「何度も何度も裏切ってよ…
傷ついた分だけ変な期待をしないで済むから。」
「…あなたは怖い人ですね。
まだ、誰かのものなのに…
その誰かを失った後は誰のものにもなりたくないっていう事ですか?」
少し違う。
けど
少し当たり。
もう
私は誰かの1番になって苦しい思いなんかしたくない。
それなら2番でいい。
2番がいい。
最初から2番ならダメージも最小限に抑えられる。
最低と呼ばれても構わない。
ただ
私は
もう
一途に誰かを想い、慕うなんて懲り懲りなんだ。
それなのに
温もりを手放したく無い私は「悪魔」だ。
もしかしたら
悪い魔法使いに呪いをかけられたのは王子様なんかじゃなくて…
私のほうだったのかもしれない。
今さら気付いたって遅いけど…。


