仕事から帰宅した大翔はいつもと変わらない態度で私の向かいに座り
私の作った夕食をつまんでいた。
「届いたよ…」
「何が?」
不思議そうに私の顔を覗きこんだ彼に、裁判所から届いた封を手渡した。
「離婚届けも書いてくれないから、てっきり離婚話しは流れたのかと思ってたわ…」
「…だって離婚したいって言ったのはお前だろ?」
裁判所から送られてきた書類を眺めながら、あっさり言いのけた彼に
もう返す言葉も失っていた。
「これで、ようやく離婚できるのね…」
呟いた言葉に感情も無く
ただ、もう後には引き返せないことと
迷う事もできないという事だけ、私の中で明確になっていた。


