「若月さん…顔色が悪くないですか? 酔っ払っちゃいました?」 「ん、ちょっとね。」 一生懸命に作り笑いした私を彼が心配して背中を摩ってくれる。 昔…大翔もこうやって酔っ払った私を介抱してくれたな…。 だけ今、背中に感じる温もりは別の人のもの。 もう大翔の温度さえ遠い昔に忘れてしまったよ…。 あんなに大好きだった家庭が 今は1番、帰りたくない場所になってる。 時が経つのは恐ろしいものだな。なんて考えてるうちに気がつけば涙で視界がぼやけていた。