「俺ってば、誰かと付き合っても長続きしないんですよ… なんか、友達といたりバイトしてるほうが楽しくて。」 「ははーん。それで彼女に淋しい思いさせてフられちゃうんだ?」 図星をつかれた彼が苦笑いを返すと、4杯目のビールがとどいた。 私はまだ2杯目のカクテルを半分以上も残していて彼の飲むピッチの早さに感心していた。 「片想いしてる時のほうが楽しくないですか…?」 悪戯に探るような眼差しに一瞬、別の顔を見せられて思わず息を飲んだ。