「どうします?」 ひ弱な声が私に決定権を委ねる。 私だって帰りたか無いけど、二人で呑もうなんて積極的な言葉なんて出てこない。 「小関君が決めていいよ」と優しく決定権を彼に託すと、しばらく居酒屋の入口を眺めていた彼が「二人だけど、せっかくなんで呑みませんか?」と遠慮がちに聞いた。 「いいよ。私もせっかく来たし何も無いで帰るのはつまらないから」と優しく笑ったものの 内心では、若い男の子と二人きりになったのは私のせいじゃないと、自分に言い聞かせるのに必死だった。