「ママね、お仕事なの」
「やだぁ!!チカも行くぅ〜」
涙と鼻水でぐちゃぐちゃになった顔を拭う事もしないで必死に私の足にしがみつく千歌を見て胸が痛まないわけがない。
仕事に行きたくない。
千歌のそばにいてあげたい。
頭に浮かぶ弱い気持ち。
だけど私も首を横に振って堪えるしかなかった。
「パパっ、千歌なんとかして!」
リビングで携帯をいじってる大翔に思い切り怒鳴りあげると
ため息をつきながら、のったのったと重い足どりで大翔が近づいて来る。
千歌を泣かせてしまってる罪悪感と大翔の態度に、血管が切れてしまうんじゃないかと思うほど苛ついた。


