「そうだ。 何かあった時のために連絡先を交換しませんか?」 「えっ…?」 少し緩めのジーパンのポケットから携帯を取り出す彼を見て少しだけ驚いたのは 結婚して以来、異性との会話どころか連絡先の交換なんて もう5年もしていなかったから一瞬、大翔の顔が浮かんだんだ。 だけど、これは単なる『仕事上での交換』 一瞬、ドキッとした自分が恥ずかしい。 「よし。完了… 何かあったらいつでも連絡くださいね。」 「あ、ありがとう。」