「今も変わらず蝶々が好きなんだけどね…」
「そっか…?」
懐かしむように笑顔を見せる彼を私はまだ不思議そうに見つめていた。
「あなたは、あの時の蝶々みたいで…」
「えっ?」
「甘い香りを漂わせて
今すぐに捕まえられそうなほどゆっくりふわふわ俺の前を飛んでいるのに
俺の網にはかからないんだ。」
「…私はそんな綺麗なものじゃないよ?」
「キレイだよ…。
色んな事でころころ表情を変えて
あなたの心はどんな色にも染まりそうなのに…
だけど決まった色を一途に決めている。
頼りなく飛んでるくせに誰にも捕まらない。
」


