こうして始まった小さな恋。
だけど数ヶ月がたとうが、何度デートしようが
彼から「付き合おう」の言葉がでなくて
少しだけ落ち込み気味だったある日
いつものように大翔が私のバイト先に顔をだした。
「いらっしゃいませ。」
大翔の顔を見て機嫌の良いマスター。
私は軽く笑顔を見せると、すぐに食器の手入れを初めた。
「ねえマスター、今日はそこにいる大塚さんに、ちょっと用件があるんだけど?」
「えっ?うちの大塚が何か失礼でも?」
「いや、そんなんじゃないけど。…ちょっと呼んでもらえるかな?」
私と大翔の関係を全く知らないマスターが少し不安げな顔つきをしながら私に歩み寄ってきた。


