「好きだったんだ…
ずっと好きだったんだ…」
独り言のように繰り返し囁く言葉が、まだ別れた彼女への未練を断ち切れずにさ迷っていた。
ただ、抱きしめられてるだけの私は頷く事しかできなくて
どうやったら彼にまた、あの人懐っこい笑顔を取り戻してもらえるのか必死に必死に考えていた。
「…新しい恋をすれば、きっと彼女の事なんか忘れてしまえるんじゃない?」
「…そんなのムリに決まってる。
俺は結婚まで考えていたいたんだ…」
「だから…
形からでもいいんじゃないですか?」
私の言葉の意味が理解できないのか、黙り込んだ彼に私は「私がお手伝いしますよ」と囁いていた。


