SWEET BUTTERFLY



一通り目を通したあと、真っ暗な部屋に目がいく。


寝室では大翔と千歌が寝ている。


だけど


なぜだろう…


まるでこの暗闇の中、一人取り残されたような不安と淋しさ。


パソコンの明かりだけが暗闇に浮かんで


その静けさがあまりにも滑稽に思えたんだ。



「来年も…再来年も

私はずっと一人でこんな事をしてるのかな…?」


時計が刻む一定のリズムを聞きながら、無駄に流れる時間を思えば、ほんの少し心にわだかまりができる。


「…もし、大翔と結婚していなかったら?

もし…千歌を産んでいなかったら…?」


私はもっと違う道を生きていただろう…。