「小春ちゃん…お願いがあるんだけど。」
申し訳なさそうに両手を合わせながら私の顔を除きこむマスター。
白髪こそは染めているが目尻とおでこの皺の深さが年齢を物語って
この皺を見ると、つい数日間に老人施設に入れられたおじいちゃんの事を思い出す。
「…なんですか?」
「前にも言っていたけど妻の快気祝いに明日から三日間、留守にするんだけど…」
「ええ、店を閉めるんですよね?」
実は久しぶりの3連休に、友達と遊びに行く予定をたてていた私は、今日の仕事が終わるのを今か今かと心待ちにしていた。
「もし、小春ちゃんの予定が空いていたら三日間、午前中だけ店番をしてくれないかな?」


