その日を境に、平日の決まった時間に大翔は彼女を連れてお店に来るようになったのが
私にはやっぱり面白くなかった。
「アットホームな良い店ね」と彼女が言えば私は腹の中で良い人ぶっちゃって。と舌をだしていた。
当時の、あの気持ちが恋だと自覚するまでにはかなりの時間を要したのは、二人の仲が進展していくのを薬指に輝く指輪が物語っていて
まさか自分が彼に恋をしているなんて夢にも思っていなかったんだ。
きっと婚約指輪だろう…
たまに二人がブライダルの雑誌を見たり
将来の家族設計をしているのをぼんやり聞きながら
いつか、自分にもこういう日が来るのだろうかと…当時、付き合ってた彼氏を相手に想像を膨らませていた。


