二人きりになった病室には重たい空気だけが漂っていた。 「ひ、一人部屋なんて…高そうだね。」 この空気に堪えられない私がバカな事を言っても大翔は表情一つ変えずに私を見ていた。 「…こんな事して悪かった。」 包帯でガッチリ固められてる輪郭。 唇が動きずらそうに小さく形を変えていく。 「…なんで? あんな事をしたの…?」 「…もう、何もかもが嫌になったんだ。 お前、浮気してるだろ?」 「えっ…?」 緊張で一瞬、体が固まる。 だけど大翔はもう何もかもを知ってるような口ぶりだった。