「…ごちそうさま。
俺、疲れてるから先に風呂はいって寝るわ。」
「…ああ、うん。」
これも、いつもの事。
たまには千歌をお風呂にいれて。も言えない私は悶々とした気持ちと戦いながら
千歌が大盤振る舞いに撒いた食べこぼしを、一つ一つ捨てては
一日に何度も繰り返されるゴミ拾いにため息が止まらない。
理想とは違う…。
仕事から帰ってきた旦那と協力しあって子育てをするなんて…
ただの理想にしかすぎないんだ…。
カーペットの上を這いつくばりながらゴミ拾い。
「キャハハハハ。」
既に食事を終えた千歌の遊ぶ声。
「ってか、自分でこぼしたんだからゴミ拾い手伝えっての…」


