「見せても良いけど……」

「ホントですかッ!?」

「わ!いや、ホントだけども……下手だよ?」


そうして広げた紫のインパチェンスの絵。

数分前までは静寂に包まれていたこの部屋に
たくさんの言葉が生まれた。


「わーーーーーっ!」

「さすが緑さん!とっても素敵だよ!!」

「そんなっ……ありがとう。」

「明るくて見てるだけで笑顔になっちゃいました!長谷川先輩、凄く上手いんですね!」


こんな至近距離で褒め殺された私は、きっととても顔が赤いのだろう。


「緑さんに描いてもらったら最優秀賞、間違いなしだよ!」

「はははっ分かりやすいお世辞はやめてよねー」

「お世辞なんかじゃないですって!私にも才能分けて下さいよ~」


どうやら私、美術部員(ただし2名だが)に
気に入られたみたいだ。