「そっか…クリスマスか」
白い息を吐き、足を停める。

周りを見回すと、赤い服を着て白い髭をつけた
サンタさん擬きが沢山いた。

ケーキを売るサンタ、風船を配るサンタ、路上で踊っているサンタ、
そして、あろうことか子どもの夢を壊すティッシュ配りのサンタまでいる。


「まあ、いいのかな…うん」


こっそりとそう呟いて空を見上げた。
今日は雪が降っている。


何も考えずに今日一日を過ごしていたけど、
今日がクリスマスって事は、ホワイトクリスマス。


「…ロマンチック」


少し笑みをこぼして、また一歩足を出した。