本当はキライになんてなれないんだよね。

そんな自分を自分でもよくわかってる。



昔からそうだった。

冷たい人だとか、この人はだめだってわかっててもスキって気持ち抑えられないんだ。



トイレの扉に背中をくっつけて、天井を見上げた。


涙をトイレに流してしまいたくて、何度も水を流す。




このままじゃ、次の授業に出られない。


こんな泣き顔見られたくない。


いたずらをした男子の中にはうちのクラスの子も何人かいたよね。




運良く、このトイレは穴場のようで誰もいない。



顔を洗って、鏡の前で涙を拭いた。





「お~~~い。うんこか?」



誰かがトイレの外から話しかける。



誰かって…


私には

もうわかってる。