陸…


別れたんだ、レナと。




「神崎君、私の存在忘れてるでしょ?」



消毒中の保健の先生がコツンと陸の頭を叩く。



「ははっ!ごめんごめん。早く言いたくて…さ。」



消毒を終えた先生が、わざと大きなため息をついた。




「じゃあ、私しばらく職員室に行ってるわ。中から鍵閉めときなさい。」



ゆっくりと閉まる扉に、陸が鍵を閉めた。




「まこ…俺、間違ってるかな?」




鍵が閉まっていることと、『まこ』って呼ばれたことに私のドキドキはピークに達していた。



「間違ってないよ…陸は、私を守る為に…」



私の続きの言葉を理解した陸は、私の頭に手を乗せた。



「結局、俺はまこもレナも傷つけただけだったのかもな。」