今なら素直になれる。
『大好きだよ』
陸宛ての手紙に気持ちを込めて、書いた。
だめな実習生だってわかってる。
でも最後にこれだけは伝えたい。
「あと2日よね。あなたがいなくなると寂しくなるわね。また遊びにいらっしゃい。そうすれば、彼にも会えるしね。」
先生は、眼鏡を外して、髪をかきあげた。
意味深に笑う顔もセクシーで、ますますす好きになる。
保健室になら、また遊びに来ることができるかも知れないと思わせてくれた。
「はい!また相談乗ってください。」
外はもう真っ暗だった。
カーテンを閉めた先生が、鼻歌を歌っていた。
私の為に紅茶を入れてくれた。
普通の紅茶なのに、先生が入れてくれたことと、この場所で飲むことで、特別美味しく感じられた。
「美味しいです…」
最後の一人へのメッセージを書き終えて、紅茶を飲み干した。
その時、
陸が勢い良く保健室の扉を開けた。
「ごめん!!遅くなって…」
「どうしたの?その顔!!!」
陸の口元には、血がにじんでいた。
乱れた髪と少し腫れた目元。
何があったの?

