「みんなが今、笑っていられるのは、誰のおかげ?」
私の投げかけた質問に、レナが答えた。
「龍のおかげかな。いつも教室の中が笑いでいっぱいなのは、あんたのおかげ!」
レナが龍之介の方を見た。
龍之介のレナへの気持ちを知っている私は、そのレナの言葉に嬉しくなった。
良かったね、龍之介。
ちゃんとレナは見てくれているんだね。
「俺は、陸がいるからかな。友達いなかったら俺、死んじゃう!」
情けない表情で、またみんなを笑わせた。
「私は、お父さんとお母さんかな。でもやっぱ友達かな」
山瀬さんが振り向きながら言った。
私は、みんなの顔をゆっくりと見つめながら続けた。
「家族であるかも知れないし、恋人かも知れない。でも、一番は友達だと思う。
友達がいなかったら、10分の休み時間どれくらい長く感じるだろう?」

