クラスのみんなの笑い声がどこか寂しそうに聞こえる。


みんなも不安な気持ちをいっぱい抱えているんだね。

それをかき消すために、大声で笑っているのかもしれない。




誰でも、大人になるって怖くて不安なんだ。




みんなの笑顔を見ていると、そんな昔の自分を見ているようだった。





今日の授業の後半の30分を使って、みんなにそんな話をしよう。


これだけは伝えたい。



「まこたん、もうすぐ終わりだよ~、俺泣いちゃう。」


龍之介が笑いを誘う。


「まこたんの恋バナしてよ~!」

レナは、あれ以来とても穏やかないい顔をしている。

約束通り誰にも私の陸への気持ちは話していないようだ。





「今日は、残りの時間でみんなに伝えたいこと話します。」



教室の中を見渡すと、そこには高校生だった昔の自分がどこかの席に座っているような気がした。



みんなにも、そして、自分自身にも伝えたいこと。