世の中って不公平なこといっぱいあるね。
かえでちゃん何も悪くないのに。
「まこ?泣いてんの?」
いつのまにか、涙がポロポロとこぼれていた。
「陸に…ぎゅっとくっついてたあの姿が頭から離れなくてさ。」
小さい体で、小さな手で、必死で陸にしがみついていたんだ、かえでちゃんは。
「サンキューな!かえでの為に涙流してくれて。泣き顔もお前とかえで似てんな~!」
優しい笑顔で、何度も何度も私の顔を覗きこむ陸がお父さんと重なってしまう。
お父さんもこんな風に泣き出した私の顔を覗きこんでくれた。
運命…なのかな。
陸の大事なかえでちゃんが私に似てること。
私の大事なお父さんに陸が似てること。

