父と娘 ~禁断の恋心~



お願いだから
引き留めないで




お願い
行くなって言って…







“何故だ?”



あなたが好きだから…

出そうになる言葉を
ぐっと飲み込む


“今まで甘えてきたから”



“どうしてもか?”


本当は行きたくない



“うん、もう決めたの”


気持ちとは裏腹な

口から紡ぐ言葉



“そうか”



少し悲しげな
父の笑顔がそこにある



胸がぎゅっと
締め付けられるようだった