一緒にエレベーターに入って、四階のボタンを押すと、他愛も無い話で到着までの時間を潰した。

今朝のニュースどうでしたかとか、怖い事件が多いですねとか、安心して物を食べられない時代になりましたねとか。

チーンという間の抜けた音と共に扉が開くと、数歩先にある『如月』のドアを開けた。

数人のスタッフ達が、僕らに注目して挨拶を交わすと、室井さんの助けを借りる事無く自分のデスクに座った。

「さてと……今日の業務を始めますか……」

僕はそう呟くと、パソコンに繋がれたイヤホンマイクを装着し、電源を入れた。