席に戻って来た後は、取り敢えず無難に過ごし、余り遅くなると悪いですからと室井さんに言われて、解散という事になった。

結局、最後まで気を遣わせてしまった挙げ句、その台詞は本来僕が言うべきものなんだろうな、と思い余計凹んだ。

駅構内まで一緒に向かい、行き先違いのホームで別れの挨拶をする。

「それじゃあまた、明日会社で。」
「ええ。」

手を上げて、互いに別のホームの階段を上がる。

直後、丁度のタイミングで各駅停車がやって来たので、それに乗り込んだ。

平日の十一時過ぎなので、随分とガラガラしていて座れる場所が沢山ある。

(なんか……。)

絵夢の時とは別の意味で疲れてしまった。

誰の所為でも無い、自分の所為なんだけど。

僕は端っこのシートに寄り掛かるように腰掛けると、そのまま転た寝してしまった。