「ツナミは?」


「母ちゃんとDVD見てる。母ちゃんは意味わからないで『これは誰?強いの?』ばっかり聞いてツナミのくせにウザそうにしてるよ」


どうりでリビングが静かなのか。


「あ、やめてよ。寝室でビール飲むの」


お盆に一緒に持ってきた缶ビールを飲んでいる。


「いいじゃん。ツナミのそばにいるとうるせーんだもん、ここ静かで快適」


「もー、こぼさないでよ?」


「大丈夫だって。あ、血圧と体温計らなきゃ」


家ようの血圧計をあたしの腕に巻いてスイッチを押した。

そのまま耳に体温計を入れるとすぐにピっという音が鳴る。


「子供用ので計るのヤダー」


「面倒くせーんだよ。同じじゃん。えーと、血圧が90の65?体温は35.7。相変わらず低いよな」


笹井先生から渡された用紙に記入しながら言った。


「段々血圧も戻ってきたし、明日くらいにはベッド生活から解放かな?」


「うーん、いいんじゃないかな?」


用紙を見ながらソウちゃんが頷いた。


「よし!今日でアニメ見ちゃって、明日はツナミとプリン作ろう」


「プリン?」


「約束したの。プリン一緒に作ろうって」


「へー、オレはいらないよ。2人で食べてね。あ、明日は綾乃さんが来るから3人で食えよ」


「何でよ、食べてよ」


あたしが文句を言うと「だから甘い物苦手って知ってるじゃん」と呆れる。