「へぇー妄想得意なんだ!」
「・・何それ?!」
「褒めてるんだよ」
あたしはいたずらに笑ってみせた。
「妄想なんかじゃなくて、俺自身が経験した恋愛を小説にしたいんだ。
実話ってやつ。
その方が、たくさんのことを伝えられると思うんだ」
きっと空人はあったかい家庭で育ってきたんだろうな・・。
「ありがとう」
「ごめんなさい」を素直に言える。
それが当たり前なんだけど、今のあたしにはそれすら見えなくなってる。
あたしの家は、平和な普通の家庭だと思う。
でも、いつも小さな隙間から冷たい風が流れ込んできていた。


