しばらくの間、巷を騒がせたローゼン・シュトックの噂は無くなった。

ジンが旅団長になってから四年が経過した頃。

とある森林地帯で薔薇の杖を持ち、首にグリーン・スフィアをあしらった女性が現れた。



「今度は巨大熊退治だって。

動物や魔物にも話し合いが出来たら良いのに……」

その女性の傍らにそっと寄り添う深紅の鎧を纏った騎士。

「また夢の様なことを語って……」

女性は天を見上げて微笑む。

「そうよ?だって、夢を語るのが私の『翼』だもの」

深紅の騎士は声を出さずに笑った。

「それじゃあ、行こうかテレサ」












fine....