ジンはゆっくりと2人に近づいていく。
「…………誰だ?
今のフォースは貴様のものか!?」
ブリュンの問い掛けにジンは不敵に笑うだけだ。
長い金髪を揺らしながら近づいてくるジンにテレサは身構える。
それを見たジンは釣り上がった細い目で薔薇の杖を見た。
「ローゼン・シュトックってあんたのことかい?」
「ローゼン・……何ですか?」
テレサの反応は予想外でジンは顎に手を当てる。
そして「んー」と唸り、何かを閃いたかの様に話しだす。
「ま、あんたが何者かなんてことはどうでも良いんだ。
たださっき海蛇を退治した力には興味がある。もう少しで良いからさ……
見せてくれないかな!!」
ジンが叫んだと同時にブリュンはテレサの前に躍り出て、放たれた鎖を打ち下ろす。
「テレサ、何をぼさっとしている!?
さっきの……
さっきのおぞましいフォースは奴が我々に放ったものだ!!」
煌めく剣を振り上げブリュンはジンに向かっていく。
轟音と共に振り下げられた剣をジンは後方にひらりと回避した。