テレサはほっと一息、胸を撫で下ろした。

そしてブリュンを見て微笑む。

「ブリュン、お疲れさま」

ブリュンはゆっくりとテレサに歩み寄る。

そして剣を収めた手でテレサに何かを手渡す。

「これは――」

テレサの手の上で煌めく翡翠色の宝珠。

挑発するかの様に美しい輝きにテレサは見惚れる。

「これは『グリーン・スフィア』ね。

さっきの海蛇の核であるグリーン・スフィアからの自然拡散したフォースによって、ここら一帯の生物が魔物化してしまっていたようね」

「ああ、だが海蛇はいなくなった。

これでこのフィンダー海峡も平和に……」

刹那。

背後からのおぞましいフォースにテレサとブリュンは身を固めた。

戦士であるブリュンが剣を抜くことを一瞬ためらうほどのフォース。

それはすぐに止み、後ろから足音が近づいてきた。

「やぁ、初めまして」