金烏玉兎



その原因も、確か聖にあった。

幼い頃はまだ、私達は四人で遊んでいた。

私は、聖に横断歩道で背中を押されて。

そこから後の記憶は無くて、気付いたら病院にいた。

幼い頃の、話だけど。

そんな前の話を覚えている私も私なのかもしれない。

「…はーあ。」

声に出して溜め息を吐く。百合ちゃんも同じように吐いた。

「試験やだ…。」

それが、試験だけに収まればまだ良いな…。