「由愛ー!!!」


玄関へ向かうと、聖夜があたしのカバンを持っててくれた


「ごめんね、聖夜」


「いーって。帰ろうぜ!!」


聖夜があたしに手を差し出してくる


だけどあたしは握らない


「?由愛?」


「...聖夜、あたし大事な話があるの」


「?」


「あたしの家、来て?」


「...分かった」


聖夜は手を引っ込めて、あたしのあとをついてくる


聖夜があたしの家に来るのは初めて


ずっと聖夜の家に行ってたから


「ここ」


「綺麗じゃん」


「まあね。綺麗好きだから、あたし」


「自分で言うなっつうの」


聖夜が嬉しそうにツッコんでくれる


...だけど、これが最後...


一緒に居られるのも、これで最後


もう...聖夜とは一緒に居られない


傷つけちゃうから


一緒に居たら...ダメだから


最初から思ってたんだよ、あたし


一緒に居ちゃいけない人なんだってことは