かと言って寝かせてやれる場所はここにはない。

しいて言うなら、床くらい…?



(でもさすがに床はなぁ…)

「怜衣?」



カーテンを開ける音がして振り向くとそこには玲音がいた。

うわ…マジかよ……。



「……お前、何してんの」

「あ? 別に…」

「その体制、別にで通ると思ってんのかよ?」

「………」



確かに、今の俺の体制は杏菜を抱き締めてる。

まぁ不可抗力だけど。



「…襲いてぇの?」

「ちげぇよバカ!」

「必死」

「うっせぇ…」



結局、俺は玲音に勝てない。

ムッカツク……ほんと。

男の俺から見てもかっけーし、頭いいし、運動神経いいし……。



「マジでムカつく…」

「はぁ?」



唯一、性格でなら勝てる気がする。



「お前さぁ……」

「何だよ…」



内心何言われるかドキドキしてる。



「何がしたいワケ?」

「は?」



何がしたいって…何が?