しゃーないか…。
「メンド」
「杏菜っ」
「うおっ」
怜衣が玲音の首に腕を回してニカッと笑っていた。
どきっ
(あー…もーちくしょー)
あんな些細なことで心臓が音を立てるとは…。
「がんばれよ、俺ら応援してっからな!」
「怜衣ジャマ。暑苦しい」
「ニシシ」
いたずらっ子のような笑みをを浮かべる。
「杏菜っ、行くよ!」
「うん!」
あたしはにこっと笑って2人に手を振った。
「杏菜、上ね」
「…………はい?」
『上ね』? 上って……
「戦(ヤ)る側!?」
「うんうん」
「無理無理無理!! 上なら普通千嘉か雅でしょ!?」

