キミへ


ありったけの声を張り上げて叫んだ。



「ゴホッ、ちょ、叫びすぎた…」

「あ゙ー…。でも奴等には聞いたみたい」



ホラ、と指差された方はウチのクラスの男子たち。

さっきまで押され気味だった男子たちが、たち直して棒に上がろうとする怜衣を守っていた。



「…やば、アタシ感動してきちゃった」

「これぞまさに青春だよねー」



なんて言う千嘉は涙脆いのか、もう泣いてる。

…かわいいなぁ、雅もだけど



「ねー、杏菜」

「………」

「え、ちょ、シカトですか杏菜さん………、って」

「「杏菜泣いてんじゃん!!」」

「へっ?」