キミへ

−怜衣side−

「一緒にまわって?」



俺は杏菜にそう言った。

なんか…、玲音より先に言いたくて…。

多分、アイツも杏菜とまわりたいって思ってるハズだから。



「あたしが"イヤ"って言うと思ったの?」



それに俺は掠れた声で頷いた。

うわ、だっせぇ、俺



「バッカだねー」

「バカて」



若干ショックを受けながら杏菜の言葉を聞いた。



「聞く前から諦めんなっつーの。堂々と胸張って聞きゃいーじゃん。ホント、ばかじゃないの? 勝手に被害妄想すんなっつーのー」



いや、別に被害妄想してるワケじゃねーけど…

でも…、これは俺と一緒にまわってくれるってとっていいんだよな?