キミへ


「で…って?」

「それ聞くためにわざわざ後つけて来たの?」

「後つけてって、言い方わる…」



ショボン、とする怜衣にクスッと笑った。



「あたしが"イヤ"なんて言うと思ったの?」

「……う、ん」

「バッカだねー」

「…バカて」

「聞く前から諦めんなっつーの。堂々と胸張って聞きゃいーじゃん。
ホント、ばかじゃないの? 勝手に被害妄想すんなっつーのー」



まぁ、あたしならズバッと言いそうだもんね。

ハッキリ“イヤ”って。

でもさ、あたし達友達でしょ?

あたし何か友達なんて思ってくれてるかなんて分かんないけど、別に聞きづらいことじゃないじゃん?


そーゆうとこって、怜衣のばかなとこだよね。

いつもはお茶らけてるクセに…。こんな時だけ真面目な顔しちゃって。



(ずるいよ、ホント)