キミへ


な、何がヤバイって、いろいろヤバイんだよっ!!

今のあたし、絶っ対顔赤いよ…っ



「杏菜ーっ!!」

「ぐへ」



背中から抱き付かれて、前に倒れそうだったけど堪えた。



「凄かったね! 頑張ったね、杏菜〜っ。かっこよかったよぉ! めちゃくちゃ速かったし!!」

「ああ…、そうですか…」



千嘉のマシンガントークを半目なりながら受け流した。



「"ああそうですか"って何!? 杏菜ぁ〜〜」

「あー、はいはい。わかったわかった。ちょっと顔洗って来るから」

「むー……。早く帰ってきてよ」



膨れっ面になる千嘉に、あたしは苦笑いしてクシャクシャと頭を撫でた。