キミへ


あー、ちくしょー…



「杏菜! 次、次!!」



そう言われて我に返ったあたしは位置についた。

錯覚…。偶然? てかさっきのあたしは何? マジで。



「間宮ッ!」

「!」



少し走り出して、バトンが手に乗ったのを確認すると前を見据えて走った。

さっきの感覚、なんてゆうんだろうね?

あーダメだ。これ終わったら顔洗いに行こ…。



『ゴール!! 間宮杏菜、ぶっちぎりの1位!!』



だからなんだよ。そう心の中であしらってその場にしゃがんだ。



(だから体育祭とかイヤなんだよ…)



汗かくし、みんな異様にキラキラしてるし…。

あたしにはそれが眩しすぎるんだっつーの。