キミへ


バン!

それを合図に勢いよく飛び出すあたし。

イヤなことは早く終わらせたい性だし。



「杏菜!」



だからぶっちぎりで怜衣にバトンを渡した。



「頑張れ怜衣!」



無意識に、そう叫んでいた。

滅多に大声を出さないあたしが叫んだ。

もちろん、怜衣も驚いたのは確かで……、でも怜衣はあたしを見て微笑んでいた。



「〜〜〜〜〜っ!!」



口元を押さえて急に恥ずかしさが込み上げてきて、頬が熱くなった。

何なにナニ!!?

どうしちゃったのあたし!?

しかも何気なく、怜衣にどきっとしてたし…。


が、柄じゃない!!!