キミへ


『次の種目は、バトンリレーです。選手は集まって下さい』

「あっ、これ杏菜達じゃない?」

「あ、ホントだ…」



最悪…。もう順番来たんだ……。



「杏菜、行くぞ」

「はぁい…」



やる気、勝つ気無しのあたしは重い腰を上げて怜衣の後に付いていった。

その途中、



「頑張れ、杏菜ー!」

「杏菜ならイケるー!!」



なんて無茶ぶりされたが、笑顔で手を振っておいた。

走る順番は、あたし、怜衣、玲音、葉月、あたし。

葉月ってのは、一見真面目に見えるけど実は遊び人の葉月 敦。

何かと使えるのも葉月だ。



「位置についてー……、よーい―――」